天然住宅 x ハニ カンタ

天然住宅で生まれ変わる、築30年の家、改修プロジェクト

新築ではなく、既存の建物を改修する事

 

すっかり昼間の太陽が春を感じさせる今日この頃。

私は花粉の症状も今年は久しぶりに酷く、くしゃみでぎっくり腰になりそうですが、皆さんの体調はいかがですか?

 

くしゃみや鼻水が止まらないこんな日は特に、天然住宅グリグラハウス(しょっちゅう名前が変わりますが、わが家です)の完成が本当に待ち遠しいです。

 

さて、わが家の大改修工事は日々大変な作業が続き、

本当に大工さんには何度感謝の気持ちをお伝えしても伝えきれないくらいですが、

 その工事もいよいよ大詰めを迎え、棚やタイル、キッチンの設備なども設置していただき、大詰めです!!(ワクワク💗)

 

そんな中、大工さんと現場監督さんのお仕事をご紹介しつつ、

新築には無い現場のみなさんのご苦労を覚え書きとして記して行きたいと思います。

 

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裏側まで美しい階段の制作過程

 

素人の私がたまに拝見して感じる大変さなど、大海の一滴に過ぎないとは思いますがお伝えしてみます。

改修、リフォームを計画されている方は参考になさってください。

 

まず、新築の家の場合、

全てが無い状態、言って見れば、0から積み上げて行く作業。

方や、改修やリフォームは、現状の、10あるものを、まずは、

10→9→8→7→6→5→4→3→2→1→0にする作業が必要です。

 

その後、0になったところに、そのまま1を積み上げられる訳ではなく、

0だと思ったのに、マイナスだった、という場合があります。

 

例えば、打合せ段階では見えない壁の内部の構造が傷んでいた場合。

 

わが家の場合がこれに当たりますが、壁を撤去してみてからその傷み具合がようやく見えるため、マイナス3なのか、マイナス5なのか、外からは正確にわかりません。

マイナスから『0』の状態に修正していく作業が非常に大変なんだそうです。

 

今回、外から見て、もしかしたら、とは言われていましたが、実際に壁や床、天井を剥がしてみて修理が必要と認められた部分はざっとこんな具合です。

 

○外壁のひび割れからの水漏れによる、柱の傷みに対する補強(早く外壁を塗り直しておけば良かったかも)

○梁や斜めになっている床の調整(あの東日本大震災にも耐えたので、ゆがみは覚悟していましたが)

○ゆがみが出ている窓枠の調整(アルミサッシの端に隙間も大工さんが調整してくださるんですよ、びっくり!)

 

書くとこんなもの?と思われるかもしれませんが、それが家中のあちらこちらにあるので、ほぼ全部、どこもかしこも、調整につぐ調整、といった具合です。

 

これらの調整が、狭い家(作業場)で少しづつ少しづつ、丁寧に行われるのですから、本当に気の遠くなる様な作業だと思います。

 

そして、0ベースに戻してから、更に

○床を支える木(根太というのでしたっけ?)の増強

地震に備えての金具補強や太く立派な梁を追加した縦揺れ、横揺れ対策

 など、ある物を残しつつ、微調整、加えたり削ったり、、、

+1→+2→+3、、、、、

と進んで行くイメージでしょうか?

 

私の頭の中がどんな具合か覗かれている様でこれまた恥ずかしい限りですが💦💦

 

実際には平行して進んでいると思うのですが、新築なら10工程は10工程で終わりますが、改修は10からはじまり、0にして、更にマイナスを修正し、再び0に戻り、そして1、2と積み重ね、10を目指して作業が続く、、、、という感じで、本当に大変なんです。(大工さんは決して大変なんておっしゃいませんが。)

 

では、なぜウチは改修する事になったかというと、実は条例により立て替えが出来ない土地だったのです。渋谷区と何度掛け合っても、どんな提案をしても、頑として新築許可を得る可能性が見出せなかった為、改修工事に踏み切りました。

 

都内にはまだまだそんな土地がたくさんあり、そう言う家が多いからこそ、”新築○○くりさん” といった改修工事のチラシがしょっちゅう投函されるのでしょうね。

 

隣家との距離も狭いため、足場を組むのも大変で、様々なアイディアで設計の方から職人さんまで、知恵を絞っていただき進行しています。

 

新築はスムーズだと思いますが、わが家の場合、一昔前の建物だった事が幸いし、柱などは無垢材が使われていた様です。もちろん、栗駒の杉の様に美しいものではありませんでしたが、それでも木は木。それはそのまま活用出来た様です。

 

解体するとこれはおそらくゴミになってしまうので、それは良かったな、と感じています。

 

この家が建てられた時にどこかの山から連れてこられた(?)木が、そのまま引き続き私たちの生活に寄り添い、新たに、加わった栗駒の木が更に新しい仲間として安全と健康を守ってくれる、そんなイメージでしょうか。

 

立て替えの出来ない戸建ての改修をされるみなさんも、諦めないで相談される事をお勧めします。小さくても、建て替えられなくても、天然住宅仕様に改修する事で人に優しく、地球にも環境にもやさしい空間で生活する事が出来ます。

 

もちろん、わが家はあちこち限界だった為、大改修となりましたが、床や壁を変更する事だけでも住環境はガラッと優しくかわります。

 

迷っている方は、是非!

 

今月末にはいよいよ完成予定。

見学会が以下の日程で開催されます。

無垢リノベーションを考えていらっしゃる方はご参加ください。

 ↓ ↓

tennen.org